新型MPVに乗る(ドライビングシート編)

試乗では、自分はまずセカンドシートの乗り心地を一通り比較した後、ドライビングシートに座った。
順番は二列目に乗ったときと同じ。

まず現行型……。

コースを一周運転して一言。
……う~ん、コレのどこが不満なんだ?
いや、確かにアクセル踏み抜いたときのエンジン音とか多少音が大きいが、べつにスゲーやかましいというわけでもない。ハンドリングも多少のアンダーを出しながらも不安感無く踏ん張って曲がってくれる。ブレーキもよく効くし。別にコレでいいのでは?

ついでプレサージュ

コイツはエンジンが2.5なので多少出だしの加速がいいらしい。うん、確かに違う。でも現行MPVに比べて凄くいいわけでもなく、ああ、出だしがいいね……。くらいの違い。
んで走り出して、乗り心地はまあ柔らかい、乗る人によっては『快適』と表現するだろう。うん、確かに快適かも。で、コーナーに差し掛かると……
ま、曲がらん!!
鼻先がフニャっとつんのめっているのが正に体感できました。
そして高速スラローム
こっ、こえ~!!
ふにゃふにゃの足であっちに振られこっちに振られでいつ前輪のグリップが抜けるかスゲー怖かったです。まあ、実際はそう簡単には抜けないんだろうケド。
普通に走ってる分には快適か? いや、カーブではボディがふらふら(とゆうかゆらゆら)するから運転席に座っていても酔いそうになった。こりゃイカン。

そんで新型MPV。コイツはノンターボの23C。

数値上のエンジンスペックは現行とまったく同じ。馬力、トルク共に変化なし。フツーの人にはよく分からん改良が加わって環境性能やらトルクの出るアーチが良くなっとるらしい。まあ、御託は後にしていざスタート。
加速。加速感は現行型とほとんど変化なし。トルクと馬力が一緒ならそうでしょう。実際は新型の方が重いので0-100kmの加速は新型のほうが遅いらしい。でも、はっきり言ってわかりません。
ただ、何よりファーストインプレッションで感じたのはお、静かになったなってこと。エンジンの振動を抑えたのか、遮音をうまくしたのか(おそらく両方)静粛性が増しとりました。でも回せば、おお、回っとりますな。とゆー感じでそれなりの音がする。ただ、ふかしてないときに聞えるロードノイズ圧倒的に静かでありました。
んでコーナリング。つーかプレサージュに乗った後っつーのが悪かったね。
おおおっ曲がるぅッ! つーかスゲー踏ん張るぅッ!!
って感じ。高速スラロームもホレホレといった感じで曲がっていき、20km位のスピードできゅっと鋭角にまがってもほとんどおつりが来ない。どーなっとんんだコレ。
とゆってもスポーツカーのようにヒラヒラと走るわけではない。ちょっとアンダーを持たせて緩やかに曲がるがいっぺんのブレも無いというか。実際外から見ると、ロールはかなりしとります。それこそプレサージュと同じくらい。でも違うのはそれを感じさせないというところですな。コレがいわゆる『剛性感』とゆーヤツなんだろうか。とにかく絶大な安心感があります。コレなら家族そろって山のてっぺんの温泉旅館に行ったとしてもオトーサンは運転に気を使ってヘロヘロ。なんてことはありませんな。
あとブレーキング。そんな急制動かけたわけではないけど効き方が猛烈にリニア。スムーズなブレーキと言っても余りピンと来ないだろうが、コレは運転しなきゃ分からんな。

んでオデッセイ。しかもアブソリュート

コイツは低床でしかもダブルウィッシュボーンでさぞ良かろうと思って運転して、んで結果。
思ったほどじゃねぇな
乗る前のイメージでは走りは23C<オデッセイ<23Tな感じかなと踏んでおりましたがそんなことありませんでした。個人的には23Cの方が良かったなぁ……。
加速は当然トルクウェイトレシオの良いアブソリュートの方がいいのですが、それも感動的というほどでもない。ああ、ちょっとよさげ?って感じ。(とゆーか俺は加速感とかには鈍い人っぽいです、普通の人なら「加速はイイネ」って感じらしい)
んでコーナリング
……う~ん、確かに曲がるけどそんなに良いかぁ?
って感じ。新型MPVと比べると安定感にかける。いや、安心感といった方が適当か。
つまり、後ろがついてこない。
オデッセイの低床は乗用車プラットホームを使って実現した成果ではあるが、その反面剛性が弱い。(っつっても新型と比べての話だが。ミニバンとしちゃあ十分合格点のコーナーリングですよ)
おかげでコーナーの後はボディがよれて、ちょいとおつりがついて安心感にかけるのだ。これじゃぁせっかくのダブルウィッシュボーンも宝の持ち腐れのように思えてくる。っつーかそれでも新型外せば圧倒的に良いんだけどね。

んで23T。

もしかしたら今回最も期待はずれに終わったのはコイツかもしれない。
結論。23Cで充分!!
いや、当然加速はいいです。なんせトルクが34キロもありますから。でも燃費を稼ぐために6ATになっとるため、よっしゃ、これから加速だぜ、という頃合になった頃フゥ~、ン、ン~ンシフトアップしてしまうので、どーにもハイパフォーマンスカーに乗ってるんだぜ! とゆー感覚は薄いです。ほかの人が「4ATにしたほうがもっと良いんじゃない?」と言ってましたが正直自分もそう思いました。4ATなら適当にアクセル開けてもシフトアップしない(する余地が無い)からググッと加速してくれそう。
最近はAT多段化がブームですがあんまり増やしすぎてもつまらんことになるのでは?っと感じた次第。とゆーか日本国内走るなら4ATで充分な気がする。そんで5ATで万全って感じ。それ以上は燃費のためか、もしくはスゲーのつんでるんだぞ威張るためだけのものでしょう。
んでエンジンとブレーキは23Cに比べパワーアップしとりますが他は同じ。つまりコーナーリングの楽しさも同じ。っつーわけです。
ただ、今回はアクティブマチック(マニュアルモード)を試すヒマが無かったのでソイツでトルクのおいしいところをうまく引き出してやればかなり良いんじゃないの?ってなポテンシャルは秘めとりました。燃費は口にしたくもなくなるだろうが……。
結論としては正直よく分からんって感じ。

全部乗り比べてみて23Cが一番好ましかったです。コレだったら俺に家族ができた時、ドライブが苦痛にならんだろうな。と思いました。んで23Tは必要ナシ。ミニバンに付加価値を求めたい人はどうぞってな感じでした。
とゆっても雑誌やら何やらで騒がれるのは23Tなんだろうケドな。まぁ、いわゆる飾りのお神輿です。存在することが重要という……。
一緒だった他の営業の人曰く「市場においては)ニーズも無ければウォンツもない」とゆー感じ。
マツダのzoomzoomな走りは正直言って23Cがすべて体現してしまっていると言っても過言ではない。23Tはあくまでもおまけ。……そんな開発者の声が聞えてきそうでした。


zoomzoomを標語に掲げてから、主力商品群で唯一モデルチェンジしていなかったMPVがついにzoomzoomになった。
帰り道、別の営業の人たちと一緒に乗り合いで帰りながら。
「う~ん、ついに『不必要に良く曲がる車たち商品群』がコンプリートされてしまいましたなぁ」
と苦笑いする我々なのでありました。