カヅヲ君とキャバクラに行く。

今朝目が覚めると、昨日のウィスキーが残っていて異様に喉がからからだった。

昨日はウン年ぶりにカヅヲ君と会った。
2年ぶりくらいかもしれない。先日海上自衛隊を退官して今はプーだという。
久々の再会に池袋のルノワールで身の上話に花を咲かせる。

カヅヲ君は海上自衛隊に入ったは良いが、留学経験が災いして、普通下っ端は乗らないという外洋航行に出かける潜水艦に配置になり色々大変だったらしい。
んで当初の予定通り3年で退官して貯まったお金で医大を目指すとのこと。
私立は無理なので当然国立。
場合によっては学費の安い東欧の医大も考えているとのこと。

医者を目指すのは別に人を助けたいとかどうにかしたいとかいうわけではなく、どこへ行っても必要とされる技術を身につけておきたい。ということらしい。

で、その技術をなんに使うかはまったく考えておらず当然、日本で開業する気など毛頭もない。
当面の目標としては流転の男となってソマリアに行きたいとのことだった。
ソマリアに行って何をするかは考えていないらしい。

上記のような内容を彼らしく特に興奮する様子もなく、朴訥として淡々と口にしていた。

どー考えてもボンクラの意味不明なバカ話にしか思えないが、自身は本気でそうしたいと考えているところがこの男らしい。
かつて愛する女を追って単身、未だ内戦状態のコロンビアに乗り込んだだけのことはある。
つーか、今時どこの中二病のハードボイルドでもそんな主人公居らんぞ。

で、そんな『一人川口浩探検隊』なカヅヲ君と早めの晩飯を食い、たっての希望でキャバクラへ。

カズヲ君は自衛官時代とそれ以前の宝石商時代に入り浸っていたらしいので全てを彼に任せることにする。
で、ロマンス通りの無料紹介所で一番安い店を紹介してもらって入店。
実を言うと自分はキャバクラなど行ったことがなかったのだがこれも何か縁だと腹をくくる。地味に緊張。

が、なんというか、普通だった。

別にホステスのオネーチャンは助平な格好をしているでもなく、いかがわしい展開があるわけでもない。
とにかく女の子が隣でお酒を注いでくれてお客さんをチヤホヤしながら楽しく会話を盛り上げるだけだった。
で、なんだかんだで2時間弱。
飲み放題のお酒がウィスキーだけだったのでひたすらウィスキーを飲み続ける。
カズヲ君の「とにかくお金ないんで」「お金ないんで」攻撃も実を結んだらしく、2時間楽しくお酒を飲ませてもらって一人3千円で済んだ。

今回は初回だったからこの値段なのだが、ひたすら女の子達にチヤホヤされ続ける良い気分に対して支払う対価としては十分アリじゃないか。
まぁ、続けると20分3千円なんて高い金を取られるのでそこまではと思うが、結構年配のおじさんも一人でお酒を飲みながら女の子と談笑している。それを妥当と感じる人間も居るということだろう。

カズヲ君の結論としては『良い店だった』とのこと。

これが聞きしに勝るキャバクラというヤツか、と妙に目からウロコが落ちたのだった。
まぁ、べんぞ~さんを始め、いろんな男がハマるのも分かる気がするな。
女の子からチヤホヤされるだけで舞い上がってしまうオレのような単純な人間には非常に危険な場所であろう。
金があったらつぎ込んでしまうかも知らん。貧乏人でよかった

で、それからマックでだべって夜10時ごろ家路に就く。

で、ウィスキーの飲みすぎで今日の朝までカッカと体が火照ってしょうがなかったのだった。