深遠なるオタクの世界。

本日起床9時半。
おーい、いきなり早起き挫折かよ。まったくもう。
朝飯食って新聞読んでテレビ見て・・・・・・。
あとは吾妻ひでおの『うつうつひでお日記』などを読みながら過ごしたのだった。


午後は、何がどうなったのか昨日寝る前に思わず読み返してしまった『フォーチュン・クエスト』の続きが気になりブックオフに出かける。つーか、フォーチュンクエストって小中学生向けだろオイ。とか突っ込みながらもハマッてしまうのは俺がオタクたる所以である。

で、あるが目当てのものは見つからず、注目欄の棚に置かれていた『電波大戦』なる本に目が止まる。
著者は本田透
この本田透なる人物、かつて『電波男』なる著作の中で「萌えこそ至高!」と唱え、萌え原理主義を世界で初めて体系化させた萌え論壇(んなもんがあるかどうか分からんが)の麒麟児なのである。
うむ、知らなかった。オタクとして不徳の至りである。
キモオタとして長年蔑まれ現実世界の最下層で虐げられ続けるという苦行の末、仮想世界との対話の中で悟りに出会った本田氏いわく、
「二次元萌えパワー」を増幅させて「三次元=リアル異性」を脳内から駆逐し、「脳内妹」に真のリアルを感じるようになれば、世界は救われる!
とのこと。
この教えは日本中のキモオタ諸氏に熱狂的な拍手喝采で迎えられたとか。
その『電波男』は未読であるが、その流れでこの『電波大戦』は「『三次元=リアル異性との恋愛』という誘惑からいかに自分を守るか」をオタク業界の先駆者達との対談を通して本田氏が探っていくという内容の対談集であった。

そのコンセプトでさえ俺には衝撃的であったのだが、対談集の内容はオタクの赤裸々な(そして泥沼な)恋愛が語られ、更に衝撃的であった。興味のある人間は一読を勧めたい。

特に最後に登場する、リアル異性との恋愛についての解脱を完成させてしまった(悟りを開いてしまった)アニメーション作家(名前忘れた)の発言は重みがあった。
収入の全てを映画やアニメのDVD購入に当て、DVDにうずもれた生活を送るその作家の
「だって『ダイ・ハード』より面白い女ってどれだけいると思う? だったらずっと『ダイ・ハード』見続けてた方が面白いじゃん」
という発言には清々しささえ感じ、思わず目から鱗なのだった。

だが、その彼にもリアル異性との交流が無かったわけではない。
中学生時代、彼は「放課後○○時に待ってます」というラブレターを手にしたことがあるというのだ。
しかし彼はそれを無視する。指定された時間は彼が毎回欠かさず録画しているミンキーモモ』の再放送の時間だったのだ。いそいそと帰宅した彼はデッキにビデオを投入し「ふう、間に合った」と安堵の声を上げたという。
明くる翌日、そのラブレターは教室の黒板の前に晒し者になっていた。誰が誰に送ったのかも分からないそのラブレターはしばらくクラスのネタとして晒されていたが、やがてそれは心卑しき女子によるイタズラのラブレターだったということが判明した。
あぶなかった!

ミンキーモモがボクを救ってくれた!!


落涙の瞬間である。
これを神に触れた瞬間と言わずして何と言おう!
よもすれば思春期の繕いきれない深いトラウマとなってしまいかねない惨禍をオタクの信仰心が救ったのだ。

現実には田中圭一のようにイタズラの恋愛話に巻き込まれトラウマを背負ってしまった人間もいる。彼の背負ったトラウマは彼に離婚すら経験させ、分かれた嫁とのメモリアルキャンドルをデリバリーSMのSM嬢に渡してプレイするという涙無くては語れないような業までも背負わせてしまった。
そんな業深き苦難をオタクの信仰心は救うのである。
今、彼は自分の大好きなDVDに囲まれアニメーション作家としても大きな評価を得て幸せな人生を築いている。

そうか、やはりオタクは世界を救うんだ!!

モエ、アクバル!! (萌え万歳)




とゆーわけで妙な熱にやられた今日この頃なのだった。