田母神オンステージ。

曇り。ひたすら寒い。

とユーわけで空自の前幕僚長が証人喚問に呼び出されたわけですが。

どーみてもヤブヘビだろうこれは。

ちらとテレビで見ただけだが議員たちだらしなさ過ぎ。
前幕僚長が自分の言いたいことを好きなように好きなだけ主張するのに対し、ただ上げ足取りだけをしようとして全く歯が立たなかった。

なんとなくそんな気はしていたのだが、結果的にああいう主張に対しまっとうな反論は全く行われず、ただ「あんた悪いことしたのになんで謝らないんだ」的な投げやりな指摘を繰り返すだけ。
これじゃあ元幕僚長に自分の意見をテレビを通じて全国に発信する舞台をわざわざして用意してあげたようなものだろう。

マスコミも似たようなものだ。こーいう場に出てきてしまったのだからここはシカトするか小さな扱いに留めておくくらいが彼らの利益にもなったろう。

田母神前幕僚長は自分の持論をただ展開しただけである。

それを何で言ってはいけないの? 言論の自由じゃないか! と彼は主張しているわけだが、その主張にきちんと回答をすべきなのに「立場ある人間だからその立場を考えてものを言わなければならない。っつーかその言ってることが、とにかく悪いの、とにかく不適切なの!」という指摘に終始するだけ。なぜ不適切かということにしっかり踏み込むことをせず、挙句「文民統制に反する」とか意味不明な論理をでっち上げて非難を続けている。
制服着てる人が背広着てる人たち(議員さん達とか)の言うことを聞かないよ。理屈も通じないよ。こりゃあ制服組の暴走だ! 大変だ! という雰囲気を盛りたててでヒステリックに報道している。

マスコミの主張は「文民統制の原則において今回の発言を非難し罰せねばならない」という理論だ。

って、アンタ。頭おかしいんじゃないのか?

文民統制というのはそもそも制服組の任務上の指揮権を背広組が有するという意味のものであって、背広組の言うことは主義主張すべてにおいて制服組が絶対服従せねばならない、というものではない。そーゆー意味で田母神前幕僚長は言論統制だと言っている。確かにそのとおり。

マスコミは報道するならきちんと前幕僚長の主張のそもそもの内容に対して反駁をくわえていけばいいだけなのである。わざわざ目くじら立ててヒステリックに文民統制の崩壊だ! だなんて叫ぶのは視聴者に「私は思考の停止した役立たずのボンクラです」と醜態をさらしているようなものだ。

で、

今朝の朝日新聞を読んだ時、前幕僚長の論文に歴史学者たちが拠ってたかって「ここが駄目、ここが間違っている」といちいちあげつらう記事を載せていた。
当然だろう。だって前幕僚長は歴史学のプロフェッショナルでもなんでもなく、単なるプロフェッショナルの軍人なのだから。その彼の書く論文に破綻や矛盾があるのもいたし方あるまいし、歴史学のプロから見て稚拙でなければだったら当の歴史学者は何やってるのよ、という話になるだろう。

いちいちそんなものを取り上げてあげつらってるなんて朝日もホント馬鹿なことするなぁ。ご苦労なこった。などと思って流し読んでいたのだが、仕事終えて帰ってきてニュースを見たら、テレビはみんな、朝日がすごく賢く見えるほど馬鹿だった。

ほんとにどーなっとるんじゃこの国は。


こー言う状況を見てかどこぞの県知事も「関東で大震災が起きたらチャンスになる」という発言をめぐって記者会見で悪びれず「言論統制だ。非難されるいわれはない」なんてことをのたまっていたが、古館一郎は「もう何も言うことはありません」などと知った風な顔をしてそれを無視してしまった。
そーゆー「自分はキチンとわきまえてます。何もわからない奴には何言っても無駄ですから相手にしませんよ」的な態度というのは物凄く傲慢なのではないのか。そもそもマスコミってそういうものとして生まれてきたものなのか。傲慢で怠惰で無能なのがマスコミというものなのかと、怒りすらわいてきたのだった。

言ってる内容はともかく前幕僚長の方がまともに見えるのは俺だけではあるまい。