2007-08-06から1日間の記事一覧

やっとこ新製品。

仕事だ仕事。などと言いながらもこまめに毎日甲斐甲斐しくインしているセカンドライフ。 う~ん、俺も好きだなぁ。 とゆーわけでしばらくぶりの新作商品が出来た。 仕事の後の時間を使ってチマチマと作っていたのですよ、メガネを。 しかも丸メガネ。つーか…

小説 『お盆休み』 あとがき

早めでしかも短いお盆休みを特に何の予定もなくうだうだ過ごしている方々こんばんわ。 その渦中に居る僕です。 やることもないのでなんとなくパソコンのハードディスクを整理していたらかつて書いた小説が出てきてしかも今の季節にぴったりとはまっていたの…

小説 『お盆休み』 その8

おばさんとのお別れの挨拶も程ほどに俺は山下家を後にした。 そして祖父母に見送られながら、俺は県道のバス停まで歩いた。 バス停は県道を五分ほど登ったところにある。朝の柔らかな日差しは既に容赦無いぎらついた真夏の陽光へと変わりつつあった。荷物を…

小説 『お盆休み』 その7

4 「おはようございまーす」 蝉はもう鳴き始めていた。 俺は山下家の玄関に立つと、引き戸に手をかけてから思い直し、そのまま庭へと回った。 「おはようございます」 そう言いながら縁側の方を覗き込む。すると、畳に座り込みテーブル向かって何か書き物を…

小説 『お盆休み』 その6

七年前の想い出だった。 湧水池から目を逸らす。 俺はその記憶を振り払い、左手に続く低い石垣を眺める。そこが目的の寺だった。 全く人気の無い境内に上がるとひなびた仏殿の裏側に広がる墓地が見えた。仏殿の脇で手桶に水を汲み、その中にひしゃくを突っ込…

小説 『お盆休み』 その5

3 滑車がキイキイと鳴く。井戸に沈んだロープを手繰り寄せながら俺が思い出していたのは、香代の事だった。 もう十年以上も前の話。ここの井戸でよく遊んだ。 白い日の光を受けてキラキラと跳ねた井戸水が輝く。ポンプをやたらガチャガチャ動かして裏庭を水…

小説 『お盆休み』 その4

それから彼女はまた川に飛び込んで行った。よくもまぁ元気が尽きないものである。もう帰ろうか、と声をかけてみたがどうやらその気は全くないようだった。 俺は仕方無しにもう少し彼女に付き合う事にした。適当な木陰を見つけて寝そべる。そして手近に適当な…

小説 『お盆休み』 その3

2 おばさんに別れを告げ、香代ちゃんと二人、手を繋ぎながら川へ向かう。 炎天下はまだ続いていた。ほぼこの一週間この調子だ。今が一番暑い時期と言っても良いだろう。 けたたましくセミが鳴き、容赦ない日の光がちりちりと肌を焼く。呼吸する度に胸を満た…

小説 『お盆休み』 その2

きーんと冷えてしゃきしゃきとした歯ざわり、よく熟れた真っ赤な果肉。甘い味が口の中に広がる。 「香代ちゃん、ホラ、お塩ふりなさいって」 「お塩いらん」 「ふった方が美味しいわよ」 「いいの、いらん!」 おばさんが塩を振ろうとすると香代ちゃんはそれ…

小説 『お盆休み』 その1

1 蝉しぐれとはよくいったものだ。 シャワーの様に降り注ぐ、わんわんとうるさいセミの声。 俺はのんびり田んぼの畦道を歩きながらそれに耳を澄ます。耳に届く音には色んな鳴き声が混ざっている。あの音はミンミンゼミ、あれはツクツクボウシで……あの音は、…